二人で並んで歩くのなんて、いつもと同じなのに
昨日降り積もった雪とか白い息とかが何となく違う風景に
見えて胸が躍る。
「司馬くんは、冬と夏どっちが好き?」
・
・
・
「……」
すごく考えた挙句「比乃はどうなの?」という表情の彼。
それでも彼から吐き出される白さは何故か心を落ち着かせてくれた。
一緒に歩いてるんだ、って。
「僕は結構冬、好きかもしんないなぁ。」
マフラーを巻くこともも肩を縮めて歩くことも、別に嫌いじゃない。
なにより、寒くても暖めてくれるし。
何気ない温かさがすごく嬉しく感じるし。
小走りに司馬くんの前へ出て、塀の上に溜まった雪をそっと手にとる。
今朝積もったばかりのサラサラの結晶が、冷んやりと気持ちいい。
その地面に不釣合いなほどの太陽が、余計に雪景色を反射させて輝いている。
「……ふっ……。」
司馬くんが、立ち止まって笑った。
「何だよ。子どもっぽいって言いたいの?」
笑われたことに思わずムッとしてしまう。
だって雪ってだけで楽しいじゃん。
子どもの頃は朝早起きして外で遊び回ったもんだ。
「…まぁ……比乃、朝からずっとそんな調子だよね」
白い息を吐きながら笑いまくってる司馬くんに、何だか恥ずかしくなった僕は
思わず手に持った雪を投げつけた。
「うぷっ・・・・!!」
鼻っ柱に直撃した司馬くんが、顔中を真っ白にしながら呻いている。
「雪合戦!これだけあるんだからできるよね?」
「!!」
またも顔面命中。
鼻の先が赤くなり始めていて、ものすごくマヌケな顔してる。
比乃が急に雪を投げてきてびっくりした。
はじめは我慢しようとおもってたのだけど、ついいつの間にかに
どうおしおきしちゃおうかな・・・と考えてる自分がして。
ムフフ・・といろいろ考えていたら、比乃は周囲の雪をかき集
めて大きな雪だまをつくってきて・・・
あぁ・・・容赦ない比乃も素敵だと思った瞬間頭にずぼっと
それがかぶさってきた。
雪を払いのけると、いたづらそうな比乃の顔。
俺は、雪をつかむと比乃に近づいていった。
比乃、俺は比乃と入れる季節はいつでもすきだよ。
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