体育もプールが終わって、フォークダンスの練習が始まった。おかしなことに、ココでは体育の教師が創作でフォークダンスを振りつける。そのフリを覚えるのと、集団行動の行進・駆け足・回れ右なんかを練習したりするんだ。
そんなわけで・・・・・。男子なんかは、「今日あの子と手を繋いだ」なんていって騒いでたりして。手の暖かさとか、あと、「どういう風に手を持ったらいいのか?」なんてこととか。なに言ってるんだ・・って気分。一人抜かしで躍っていくんだけど、おなじ輪の中に居たらよ好きなあのことは躍れないんだよ。そんなのほんとうに言わないでほしい。曲は続いていくんだけど差は埋まらないわけで。はぁ、なんかせつなくなっててステップを間違えて、今ペアになってる子に「ふふっ」って笑われた。

比乃はずっとさき。むこうから笑い声が聞こえる。どうやら比乃のぴょこっと跳ねる振りつけがかわいいらしい。なんでそんなに楽しそうなんだよ。休み時間にもステップを練習してたりして、そんなに間違わないように躍りたいのかい?女のこに笑われたくないの?妙に嫉妬というか、自分勝手な考えで比乃の
「次どんなステップだったっけ?」って質問にも答えてあげなかった。
・・・・・・・・・・
ちょっと悲しそうなまなざし。いいさ、比乃別のやつなんかにいいところを見せなくったって。だって俺が好きなんだもの。魅力を解らせたくないし。躍るのが楽しくなってきて、他の誰かと手をつないで躍るのが楽しいなんて思って欲しくないから。ゴメン、やっぱり自分勝手。

比乃はそれから俺の前では、フォークダンスの練習をしなくなった。いや、歩く時にときどきステップが入り混じってたけど、なんだか俺がフォークダンスのことをかったるく思っていると解釈したらしい。
体育の時間。
 俺はステップじゃあなくって単に動いてて、まわって、次のこの手を迎えるために手を差し出して。
「ふふふ」比乃のペアらへんから笑い声が聞こえる。なんだろう、なんだかいつもとは雰囲気が違うんだけど。いや、もう考えるのはヤメ。もう比乃のことは考えないようにしようっておもってたんだ。いや、考えてたって、何もならないから。

手をたたいて、背中合わせですれ違って、次の人と手をとる。しっかりと握ってくる手。よく知っている温もり。見てみると比乃で。一緒に躍るために女の子側のダンスを教えてもらって、「驚かせたいから」って内側と外側の輪で入れかわってもらったんだ・・って。
 「ダンスは楽しいよ」
その日、俺は本当にステップを踏んだ。

2002.09.24 tue 司馬の日記
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 word and picture written by 勇魚
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